廣岡家に残された当時の暮らしぶりを伝える貴重な文化財

2022年7~9月、大阪くらしの今昔館にて、特別展「商都大坂の豪商・加島屋 あきない町家くらし」が開催され、廣岡家に残された仏像などが展示されました。

2022年4月に出展のお話を頂き、5月に今昔館の増井館長と谷先生が調査に来られました。そこで当家の仏像が約800年前の平安末期の阿弥陀如来像ボロボロの掛け軸は約360年前の西本願寺門主裏書きの「方便法身像」と判りました。

又、徽宗皇帝(宋の第8代皇帝)「鶺鴒図」と李安忠(宋代の画家。鶉絵の名手)「鶉図」の模本も発見されました。これは松花堂昭乗の「雀図」と三幅対で飾られ、廣岡浅子もお茶会で使用したものでした。(「雀図」は所在不明)

<小堀遠州流茶道>より引用
~略~ 江戸初期になって、遠州によって書院造りの床の間が復活されると、遠州は真ん中に所持していた徽宗皇帝の鶺鴒を、左に李安忠の鶉を配し、右にそれと同じ寸法で、松花堂昭乗に竹雀の絵を描いてもらい、三幅対としました。

私は母より「祖父から御仏壇の仏像は日本に三体しかない仏像だから、絶対に守ってくれ!と言われてる。」「その他、相続で残ったのはご先祖様が描いた掛け軸ぐらい。大した価値はない。」ときいていました。しかし、まだまだ価値ある美術品や調度品、その他資料(執事の日誌、軸物台帳、お茶の御稽古の控え等)が残されていることが判りました。(廣岡家のおひな様は2017年2月に今昔館に寄贈済)

今回の特別展の図録の後書きによれば「この特別展は、この10年間で新たな資料が次々と発見された大阪の豪商・加島屋について、その実像と歴史的意義を可視化してより多くの方にお届けするものです。」と言うことで、私も展示を見て、改めて「ご先祖様、廣岡家、すごい!」と認識いたしました。

又、特別展に合わせて神戸大学経済経営研究所准教授・高槻泰郎先生編著「豪商の金融史」が出版されました。難しい金融の話ですが、日本の金融史の中での廣岡家の抜群の存在感を感じました。

  • 「豪商」とは、単に金儲けに成功した商人ということではなく、社会的影響力がある者を指す。
  • 彼らは幕府や宗教(西本願寺)、茶の湯などにも広く影響を及ぼした。
  • 廣岡家の歴史を知ることで、経済史、金融史の変遷がわかる!
豪商の金融史

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